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Q11 市長申立ての必要性について、どのように判断したらよいですか。

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名古屋市成年後見制度利用支援事業実施要綱の第2条において、市長等は、次に掲げる事項を総合的に考慮して、審判請求(市長申立て)を行うものとするとなっています。

  1. 市長等が行う審判請求の対象者の事理を弁識する能力
  2. 対象者の配偶者及び2親等内の親族(以下、「親族等」)の存否
  3. 対象者及び親族等が審判請求を行う見込みの有無
  4. 対象者の福祉を図るために必要な事情

また、市長等は、親族等がいない場合又は親族等が審判請求を行う見込みのない場合であっても、対象者の4親等内の親族であって審判請求を行う者の存在が明らかである場合は、審判請求を行わないとなっています。

つまり、

  1. 対象者の判断能力から成年後見制度の対象となるかどうか。
  2. 対象者の配偶者及び2親等内の親族の存否や本人及び親族等が審判請求を行う見込みの有無
  3. 対象者の福祉を図るために必要な事情を

総合的に判断することになります。その中でも3.について、十分な検討、判断が求められます。

  • 財産管理に関する法律行為の必要性
  • 身上保護についての契約の必要性
  • 悪徳商法の被害などの消費、経済的問題の予防・解決の必要性
  • 親族等からの虐待など権利侵害を防ぐ必要性

について、対象者を支援している福祉、医療関係者などと検討し、成年後見制度を利用することで課題の解決につながるか、申立てする場合は誰が申立人になるのかを協議する必要があります。

そのためには、まず、何らかの権利擁護支援が必要な状況を把握した支援者は、区役所、いきいき支援センター、障害者基幹相談支援センターに相談し、対象者を支援している人と合わせて、成年後見あんしんセンターにも呼びかけ、区でチーム会議を開催してはどうでしょうか。会議で、本人の判断能力、本人の意思、課題を共有し、成年後見制度の利用の必要性を検討し、申立人をどうするのかを確認し、最終的な手段として、市長申立ての要否を区役所等(行政)が判断するという流れになります。一人の判断で進めず、支援者で検討することが重要です。また、市長申立てをしないと判断しても、課題解決のための支援策については検討が必要です。